電気工事士が現場で見た「よくある失敗事例」
エコキュートは「給湯器」という扱いをされがちですが、
電気工事士の目線で見ると、かなり大きな電気設備です。
にもかかわらず、
👉 分電盤との関係をよく理解しないまま設置されている家
👉 その結果、後からトラブルになる家
これが本当に多い。
この記事では
- エコキュートと分電盤の関係を図解っぽく噛み砕いて説明
- 実際に現場で見た失敗事例
この2つから、「なぜ分電盤が重要なのか」を解説します。
エコキュートと分電盤の関係【図解イメージ】
まずは全体像から。
電柱
↓
引込線
↓
分電盤(家の電気の司令塔)
├ 主幹ブレーカー
├ エアコン回路
├ IH回路
├ コンセント回路
└ エコキュート専用回路(200V)
↓
エコキュート(ヒートポンプ)
ポイントは
👉 エコキュートは分電盤から「専用回路」で直接つながる設備
ということ。
なぜエコキュートは「専用回路」が必要なのか
エコキュートの特徴は以下の通りです。
- 電圧:200V
- 消費電力:比較的大きい
- 運転時間:長時間(主に夜間)
もしこれを
- 他のコンセント回路と共用
- エアコンなどと同じ系統
にしてしまうと、どうなるか。
エアコンON
IH使用中
電子レンジON
+ エコキュート起動
= 主幹ブレーカーが落ちる
そのため、
エコキュートは必ず専用回路が必要になります。
主幹ブレーカーとの関係も重要
分電盤の一番上にある
主幹ブレーカーは、家全体で使える電気の上限です。
家全体の使用電力量
↑
主幹ブレーカー(30A・40A・50Aなど)
エコキュート自体が正常でも、
家全体の使用量がこの上限を超えれば、容赦なく落ちます。
電気工事士が実際に見た失敗事例
ここからは、現場で実際によくあるケースです。
失敗事例①
エコキュートを付けたら冬にブレーカーが落ちる
状況
- オール電化住宅
- 主幹ブレーカー40A
- IH+エアコン+エコキュート使用
起きたこと
- 冬の朝にエアコンをフル稼働
- キッチンでIH調理
- エコキュートが霜取り運転
→ 主幹ブレーカーが頻繁に落ちる。
原因
- エコキュート単体ではなく
家全体の電気使用量を想定していなかった
教訓
- エコキュート導入時は
主幹ブレーカー容量の見直しが必須
失敗事例②
夜間に沸かすはずが、昼間に動いていた
状況
- 電気代が想定よりかなり高い
- エコキュート本体に異常表示なし
分電盤を確認すると
- 夜間電力用の制御が無効
- リレーや設定が正しく動作していなかった
本来:夜間のみ沸き上げ
実際:昼間も沸き上げ
原因
- 分電盤側の設定ミス
- 工事後の確認不足
教訓
- エコキュートは
「本体」+「分電盤制御」で成り立っている設備
失敗事例③
後付けエコキュートで分電盤が限界だった
状況
- 既存住宅
- 分電盤に空き回路なし
- 200Vブレーカーが入らない
結果
- 分電盤交換
- 引込線サイズ変更
- 工事費が想定以上に膨らむ
原因
- 将来設備を考慮しない分電盤設計
教訓
- 分電盤は
最初に余裕を持たせるのが一番安い
エコキュート導入前の分電盤チェックリスト
☑ エコキュート専用回路がある
☑ 200V対応ブレーカー
☑ 主幹ブレーカー容量に余裕がある
☑ 空き回路が2~3回路以上
☑ 夜間運転が正しく制御されている
これが揃っていれば、
エコキュートによる電気トラブルはかなり防げます。
まとめ|電気工事士の本音
エコキュートは
「給湯器」ではなく
家の電気バランスを左右する設備です。
- 電気代が高い
- ブレーカーが落ちる
- 後から工事費がかさむ
こうしたトラブルの多くは、
分電盤を軽視したことが原因です。
最後に
これから
- 新築
- リフォーム
- エコキュート交換
を考えているなら、
👉 必ず分電盤を一緒に確認してください。
それだけで、
後悔の9割は防げます。



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